【2018年6月3日:スミュール=アン=ノーソワ】
この日も早く起きてスミュールの街を歩き回ってみました。
ホテルを出てから昨夜の居酒屋近くにある参事会教会へ。この建物はブルゴーニュ公国時代に建てられた傑作なんだとか。
差し込んできた朝日に照らされた街路に、少しヤレたプジョー106がありました。
ゆっくり街の東部へ向けて通りを歩くと次第に比較的新しめな雰囲気も混ざってきますが、良い感じに古びた建物を見つけてパチリ。隣をよく見ると空手道場の看板があります。
朝一番の散策からホテルに戻り、参事会教会から聞こえてくる鐘の音と部屋の窓から見える景色を動画に撮ってみました。
【アヴァロン】
スミュールは1泊で、次は世界遺産の古都ヴェズレーを目指します。
スミュールからヴェズレーはD級国道を通ってほんの50km余りなので、またどこか寄り道しようとちょうど途中のアヴァロンの街に立ち寄りました。
紋章に砦の塔が描かれているこの街は、古くから軍事的要衝だったところ。
街中にあるカトリック教会の駐車場に半日座り込んで、サン=ラザール時計塔をスケッチしました。
先生のお話によると、「以前はこの時計台の文字盤は円形だった」、「現在の黒字に金縁・馬蹄形はなんとも興醒めする」とのこと。そう言われるとどことなく安っぽいような気もします。
スケッチを始める前に、時計塔をくぐり反対側を散策。
午前10時、カフェも開店の準備がようやく整った様子。
通り沿いにくたびれた感じのルノー・クリオが。
こういう、少し古くてありふれたヨーロッパの大衆車がたたずんでいるような景色って、ちょっと惹かれます(笑)。
【ヴェズレー】
午後にアヴァロンを発ち、D606から951とたどり、ほどなくヴェズレーへ。
ヴェズレーは、マグダラのマリアを祀るサント・マドレーヌ寺院があり、サンティアゴ・デ・コンポステラへの巡礼の開始点としてとても有名な町です。
また、作家のロマン・ロランや哲学者バタイユが住んだ町としても知られています。
到着したのはHôtel le Compostelleという宿。フランスの田舎のおばちゃんそのままという風情の、とってもきさくな人が出迎えてくれました。
ひとまずチェックインし、荷物を部屋に運び入れてから寺院を見に行ってみました。
寺院は坂を上った頂上。坂の途中にはレストランや料理屋、雑貨屋などが建ち並んでいます。
サント・マドレーヌ寺院
脱帽し寺院に入ると、中には多くの観光客がいました。
入ってすぐ目に付くのは、ナルテックスの頭上レリーフ(タンパン)。これは「精霊降臨」の模様を描いたもので、死後間もないキリストが弟子たちに手のひらから光線(精霊)を浴びせているところだそうです。
堂内にはその両側にたくさんの彫像が並んでいて、それぞれに解説案内板がありました。
観光客の中にはそれら彫像をスマホやカメラで撮影している人もいるようでしたが、静かで荘厳な雰囲気のなかで長い間崇拝の対象とされてきた像だけに、撮影するのは憚りました。
ちなみに2016年に公開されたエレノア・コッポラ監督の映画『ボンジュール、アン』(Paris Can Wait)にもヴェズレーや大聖堂が登場します。
ダイアン・レイン演じる主人公アンが、大聖堂内のマリア像を見て涙ぐむシーンがあります。
この日は、それから各自自由に過ごし、夕方からTさん馴染みのレストランで夕食。フランスはけっこう緯度が高い国なので、この季節には夜9時を過ぎないと日が暮れません。
まだ早い時間、まだ早い時間だと思いながら飲むワインは、後で効いてきてとっても危険ですね(笑)